2008年3月28日 (金)

モンスターハンターF 妄想生活 第5話

「蒼爪の脅威」

Re「やっと現れたか…親玉が」

手持ちの弾丸は十分にある、しかもこちらは一方的に攻撃できる位置にいる。

絶対優勢。

奴はこちらにその自慢の牙を当てることもできない。

しかし…予想外だった。

どこの新米かわからないルーキーハンターがいる。

別にあいつに弾が当たろうが、ドスランポスに食われようが知ったことじゃない。

だけど…

そんな夢見の悪いこともできない。

仕方ない、ここは彼を援護しつつ、奴を倒すしかない。

Re「っち…やりにくいな」

そう言いつつ、新たな弾奏を装填していく。

Re「まずはこいつで…様子を見るか…」

下を見ると、新たに現れた敵にしどろもどろになっている新米が見える。

Re「来るよ!武器を構えて!」

その声に反応した新米狩人は、盾と剣を構え、やっと戦闘態勢に入った。

Re「援護する!弾に当たるなよ!」

?「おう!」

強気なのかそれとも虚勢なのか…まぁいい。

戦えそうだ。

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第1射、通常弾L2

サイトスコープの中に、奴の身体を完全に捕らえた、後は引き金を引くのみ。

銃口から閃光と爆音と共に発射された弾丸は、奴にとって音が聞こえたと同時に自らの体に突き刺さる音速の矢。

避けれる距離ではない。

しかし、すでにスコープの中に奴の姿はなかった。

Re「ちぃ」

続いて2射、3射と撃つが、奴は悉く避けていく。

だが避けているうちに下にいる新米との距離が近づいている。

これならば新米と挟み撃ちにできる形になった。

だが、本当であれば、奴に気づかれないうちに狙撃する予定だったものを…

一瞬、そんなことを考えてしまった。

何?

私…何か焦ってる?

いや違う。そんなことはない。たかが3発外しただけ、この場所からなら敵の攻撃を受けることもない。確実に奴を仕留めることができる!

大丈夫…もう…

そう心に言い聞かせても、指が引き金を引くことができずに震えている。

大丈夫!

さっきの2匹にだって躊躇なく当てられたじゃないか!

こんな雑魚ごときに焦るな!

落ち着け…落ち着け…

もうあんな事繰り返させない。

自分の中にチラチラと燃えるように燻っていた「迷い」を押さえ込み、再度銃口をドスランポスに向ける。

今度は外さない!

Re「次弾装填!」

通常炸薬の弾丸より貫通力のある貫通弾へと変更し、奴の頭部に狙いを定める。

スコープからは、新米狩人の姿は見えない。

ドスランポスを見ると、横わき腹に深い傷が見える。

この短時間であんな傷を?

その時、スコープの視界外から叫ぶ声が響き、小さくなにかつぶやいているのが聞こえた。

新米狩人の…声?

何か先ほどよりも違う感じがする…

そして、高々と笑う声が聞こえた後、ドスランポスの足が溜め状態に入った!!

まずい!

あれは奴らの最大の攻撃である飛び掛りの合図だった。

牙、爪、足の鈎爪全てを獲物にめがけて、全体重をかけた攻撃。新米狩人に防げるわけがない!

Re「下がって!ライン…!」

何故だろう…

盾を構える新米の姿に彼の面影を見て、思わず叫んでしまった…

頭を左右に少しふり

今は考えるな!彼じゃない…

彼じゃない!

今は自分にできることをやらないと!

そして…ドスランポスが大きく跳躍した瞬間。

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完全に空中にいた奴にとって、体勢を直すこともできない。頭部への直撃をくらい、後方に飛ばされていくドスランポス。

Re「…よし!」

確かな手ごたえがあった。

仮に立ち上がっても、これが致命的な一撃に変わりはないだろう。

そのはずだった…

 

 

洞窟内に響き渡る爆音が、この戦い、いや、今後の俺の戦いの全ての始まりの合図なんだと思っていた。

崖の上の女が放った銃弾は、確実に奴に当たった…ように見えたが、わずかコンマ何秒の差で、目の前の狩人は右に避ける。

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続いて発射される弾丸を交互に避け、クケケケと笑い始めた。

ナマ「へっ…そうでなきゃよ!」

覚悟は決まっていた。

左手に持つ剣を握る力が、今までにないほど力強く感じられる。

気がつけば、あのおやっさんが仕込んだ紐のような物が筋肉を締め付け、さらに力を引き出しているように思える。

これならいける!

湧き上がる闘志が身体から吹き上がり、一気に距離を縮めにかかる!

彼女の撃った弾丸のおかげで、奴は知らないうちに俺との距離が近くなっていることに気づいていなかった。

先ほどの弾丸を撃った後、一時的に崖上の方に注意がいった蒼き狩人は、自分の真横から闘気を纏いながら向かってくる狩人の姿を見た。

上からの狙撃よりも、今はこいつが先だ。

そう直感したドスランポスは、体勢を変えた。

来る!

これは防ぐしかない!

思ってるよりも先に盾を構えていた。

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両手と嘴で、体重をかけた奴の一撃。

様々な生き物を絶命に追い込んだ、その鋭い牙と爪の一撃はとてつもなく重い一撃だった。

狩人と狩人の戦い。

双方譲れない思いがあるから倒れるわけにはいかない。

倒れる前に倒す!

それしか生き延びる方法はない。

金属製の盾に奴の爪が食い込んでくる感覚が、それを実感させる。

ナマ「ぐぅ…ぁ」

盾で防ぎきれたと思ったのも束の間。盾に食い込んだ爪を器用に上に上げ、ガラ空きとなった俺のわき腹めがけて奴の恐ろしく鋭利な嘴と牙が潜り込んできた。

盾を戻そうにも、奴の爪がしっかりと食い込んでおり、ビクともしない。

やられる!

兜の間から見える奴の目は…

俺を倒し、仲間への血と肉とさせるための殺気が見えた。

その刹那、自らの意思とは関係なく、剣を持つ左手が高々と上げられた。

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(ガラ空きなのはお互い様、だがどっちが早えかな?)

心の中で、俺に戦えと囁いていた声がそう言った…ように思えた。

高々と剣を上げている瞬間、俺は奇妙な時間軸の中にいた。

あと数十cmで俺のわき腹を噛み千切ることができるのに、奴の動きが止まっているように見える。

奴だけじゃない。

滝の水飛沫が地上に落ちるのでさえ、まるで空中に見えない糸があるようにそこで止まっていた。

全ての世界の時が止まっている・・・?

そんなことがありえるのか?

(さぁ…何してる?今てめぇにできるのは一つしかねぇだろ?)

一体何を?

(…てめぇで考えな)

(他人の助けなんか考えるな…てめぇのケツはてめぇ…でな)

そう言われて崖の上を見ると、援護してくれていた女性は銃口を下に下げ、震えていた。

何かが彼女におきたのだろう…

(早くしねぇと…おめぇ食われちまうぞ?」

そうだ…

この剣をあいつのわき腹に刺せれば…

(そう、それでいい)

この剣で…奴を切り裂いてやればいいんだ。

(ふっ…それでいい!!ふっふははははは!!)

不気味な笑い声と指示に従い、止まった時の空間の中で、俺は高々と上げ、力強く握った剣を奴のわき腹めがけて突き刺した。

ナマ「ぬぅああああああ!!!!」

いつも家にいる猫のために料理している時に切る肉よりも硬い感触。

鱗と硬い表皮があるからだろう。

しかし俺の剣は鱗に当たった瞬間、鱗を、表皮を、そして奴の肉をも切り裂いた。

ギャオと断末魔にも似た声をあげ、奴はあと数cmで俺のわき腹を噛み千切れたにも係わらず後ずさりを始めた。

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ドスランポスは、自分に一体何が起きたのか把握できなかった。

最初の一撃で、狩人の盾を封じ、盾を食い込んだ爪で持ち上げ、ガラ空きになったわき腹を噛み千切って致命傷を与えて…

そのはずが…あと少しという時、狩人の目の色が変わった。

それを理解した瞬間、自らのわき腹に激痛が走り、後ずさりをしてしまった。

あの目…

それは自分達、獣ですら恐怖に値する獣の目だった。

全てを消滅させる。そう…全てを消滅させることができる恐るべき獣の目。

こいつは…一体何者だ?

一旦距離を置き、体制を立て直す必要がある。

視界の中には、常に目の前の狩人…いや獣を見つめたまま…

この感触だ…

先ほど奴のわき腹を切り裂いたこの感触。

飛沫が空中に舞い、鉄臭いどす黒い液体が顔や鎧に降り注いだ。

ナマ「ハァ…ハァ…」

そうだ、この感触…初めてドスファンゴと戦った時に感じたこの感触だ!

顔についた液体を触ると生ぬるい液体が、寒冷期の風に冷やされて冷たくなっていく。

それと同時に血の匂いが洞窟の中に充満していく。

手についた血を親指と人差し指で交互にこねていくと、乾燥しポロポロと地面に落ちていく。

ナマ「ふふっふふふふっ…」

今まで心の中にあった恐怖は、どこかに消えていた。

身体の細胞一つ一つから力が出てくるのがわかる。

それが恐怖を消滅させ、戦いの喜びが隅々に広がっていた。

ナマ「おあああぁあぁぁあぁぁぁぁあああああ!!!!!!」

叫ばずにはいられない!

そうしなければ、この漲る力が体内で爆発してしまいそうだった。

洞窟内に力の叫びが響き渡り、ビリビリと振動している。

これが戦い!!

溢れ出てくる力を、武器を握る力に変え、俺は獲物を見た。

傷を負わされたことで、一旦距離を取り、攻撃の機会を窺っている。

そうかい…

そんなに俺と戦いたいのかい…

そんなに俺と狩りを楽しみたいのかい…

ナマ「さすがだ…蒼き獣達の長なだけはあるな」

逃げることはしない。それも長としての誇りなのだろう。

傷が痛み、しっかりと目を見開くことができなくても、俺を見る目は死んでいない。

グハッグハッと息遣いも荒くなってきているのが聞こえるが、爪や牙へ力を入れることは決して止めようとしない。

ナマ「いいぜ…来いよ…俺は動かねぇ…さぁ…」

その言葉を聞いて、奴の足に力が入る。

溜めているのだと直感した。

ナマ「そうだ…全力でこい…俺も全力でお前を叩きのめす!…ふっふははははは!!」

そして。

奴のありったけの力を込めた一撃が飛んできた。

それはまさに大きな蒼き爪が振り下ろされるような姿だった。

避けようと思えば十分に避けられる。

だが、身体は動かなかった。

蒼き爪の一閃を全力で受け止めてやる!

そんな馬鹿な考えが脳を支配していた。

蒼き爪の先端が上昇から下降へと変わった瞬間だった。

ドンという発砲音が耳に劈く。

それと同時に、蒼き爪と化していた奴が、再び獣の姿に戻って、後方に吹っ飛んでいた。

崖上を見ると、先ほどまでの指の振るえが治まり、再び狙撃を開始した彼女の姿が見えた。

その出来事で、先ほどまで身体を支配していた力が消えて、再び思考能力と身体への命令が正常に戻った。

ナマ「っく…ぶはぁ…ハァハァ…ハア…」

まるで呼吸することまで忘れていたように、一気に苦しくなり、肺の中に空気を送り込むことを最優先にした。

息が整い、辺りを見ると、もう立つ力も残っていないのだろう…奴は横たわって荒い息を上げていた。

俺は近くまで寄り、奴の傷を見ると、左目が無くなり、おそらく貫通したのだろう、反対側から夥しい血が流れている。

あの雄々しい最初の姿からは想像もできないほどに弱っていた。

後は、死を待つのみ…これが戦いなんだ…

相手を傷つけ、相手を倒し、相手に死を迎えさせる。

これがハンターとしての戦いの当たり前なのだと…痛感した。

崖の上から女性が降りてきて、俺に近づいてきた。

Re「援護…遅くなってごめん…大丈夫だった?」

ナマ「あっ…おかげさまで大丈夫です…何かあったんですか?」

Re「え…あっいや…弾が詰まってしまってね。それを出すのに時間がかかってしまったんだ」

先ほどほんの僅かな時間だったが、彼女を見た時、震えていたように見えた。

彼女の言った言葉が…嘘なのだとは思っていたが、しかし実際は彼女の狙撃が無ければ戦いはもっと長期化しただろう。

ナマ「そうですか…でも本当に助かりました。ありがとう」

Re「いや、お礼をいうのはこっちの方。君がドスランポスにダメージを与えてくれなければ狙撃も難しかったかもしれない。ありがとう…えっと…」

ナマ「あっ俺ナマハゲって言います。変な名前なんであんまり名乗りたくはないんですが…命の恩人には名乗らないとですよね」

Re「ナマハゲ君ね。私はReon、これはギルド名ね」

ナマ「ギルド名?」

Re「そうギルド名、ハンター資格を持ったハンターが様々な猟団に所属して、それを収めるのがギルドっていうの。そのギルドからハンターネームとしてもらうのがギルド名っていうの」

ナマ「ほうほう」

Re「まぁ詳しくは後で教えるね。今はドスランポスの素材を剥いでしまいましょう」

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ナマ「…へぇこいつはドスランポスっていうのか。知らなかったなぁ」

Re「え?知らなかった?」

ナマ「ハイ…」

Re「ええ?君はハンターなんでしょ?まだハンターになったばかりくらいには見えたけど…ドスランポスにこれだけの深手を負わせられるのはそうそういないから、てっきりもう何度か戦ってるのかと…」

しかしその先の言葉にReonは躊躇した。

先ほど狙撃する前の彼と今の彼とではまるで別人。

新米どころか、熟練ハンターでだって危険なドスランポスの飛び掛りを避けようともしなかった彼…そんな彼からの言葉が以外だった。

何で私はこの男にの面影を見てしまったのだろう…

声も顔も似ていないのに…

ナマ「…いやぁ実はまだ正確にはハンターではなくてですねぇ…今ハンター試験の真っ最中だったんですよ」

ナマハゲの言葉はまたもや想像しているのとは大きくかけ離れていたものだった。

まだハンターじゃない。

初めて見たモンスターに深手を負わせたのにも係わらずだ。

少し照れながら顔をポリポリとかいている姿が妙におかしくて、私は笑いをこらえることができなくなってしまった。

Re「ぷっははは…あははははははは!!」

それを見た彼もつられて笑いだし、重くなっていた心が軽くなっていく。

心が軽くなったら、本来の目的を思い出し、Reonは剥ぎ取り用ナイフを取り出してドスランポスの胴体まで近づいた。

Re「試験中だったのかぁ…まぁせっかくだしこいつの素材を持って帰りなよ。きっと役に立つか」

話している途中だった。

完全に油断していた。

片目を潰され、わき腹に深手を負っても尚、ランポスの長としての誇りは死んでいなかったのである。

ナイフをあてがった瞬間、右手の爪が持ち上がり、私めがけて振り下ろされた。

その瞬間目をつぶってしまい…もうダメだ…と諦めていた。

が。

風の匂いと共に、男の汗と防具の皮の匂いが私の前に立ちはだかった。

恐る恐る目を開けると、彼が振り下ろされた爪を盾で防いでいた。

ナマ「だっ大丈夫ですか・・・?早く下がって」

足に力が入らない。

どうしよう…動けない。

膝がガクガクと振るえだし、いうことを聞かない。

その間にも、ドスランポスは立ち上がろうとし、自らの最後の力で私たちを倒そうとしている。

いつもだったら…

そうラインハルトと一緒だったらこんな奴相手にもならないのに…

私の力なんて…何の役にも立ってなかったんだ…

だからあの時だって!

恐怖ではない。悲しい思い出が目から涙を溢れさせてしまっていた。

こんな私なんて死んでしまってもかまわない…

もう…ハンターなんて…

生きてたって…

ナマ「…教えてくださいよ…」

え?

彼が何かを言っている。

Re「何…を?」

ナマ「さっき「後で教えてやる」って…っくぅ…その事ですよ!」

必死に盾で奴の爪を抑えながら、彼は続けた。

ナマ「俺はこれから色々見て、聞いて!知りたいんです!せっかく踏み出した第一歩で…こんな…こんなとこで終われないんですよぉ!!」

そう彼が言い放つを、盾で爪を押し切り、力なくドスランポスは倒れこんだ。

だが奴も諦めていない。

倒れる間際、空いたナマハゲの左足に、左爪を食い込ませていた。

ナマ「っぐ…ぐあぁ…ああ…」

その傷は深いのだろう、防具の皮を簡単に切り裂き、そこから血が溢れ出ている。

Re「もういい!もう…」

ナマ「よくない!!」

その声は力に満ちていた。足の怪我の痛みも見せないほどの力強い声だった。

ナマ「もう…前の俺じゃない…昔の俺じゃない…守るんだ、戦えるんだ…戦えるんだ!!!」

何のことを言ってるのかはわからなかったけど、ギュっと強く剣を握る音が私にハッキリと聞こえた。

その姿はもう…

ナマ「俺は!モンスターハンターになるんだああああああ!!!!!!」

そう彼が叫ぶと、ドスランポスも自らの最後の力で、彼に飛び掛ってきた。

彼も剣を構え、ドスランポスに向かっていく。

彼の狙いは、爪と鈎爪の間の白く柔らかい胴体。

奴の狙いは頭、腕、足その三点に自分の武器である牙、爪、鈎爪が当たればいい。それだけで十分に彼を倒すことができる必殺の攻撃になる!

蒼き狩人と若き狩人の最後の衝突。

その結末を私は忘れないだろう。

 

どんな熟練者でも、ドスランポスの攻撃を正面から受けて無事なものはいない。

そう私が知っている限りのどんな有名なハンターでもだ。

目の前のハンターなりかけの男は、何も知らないのだ。

自分がどんな武器を装備してて、どんな防具を装着してて…

どんな場所で、どんなモンスターと戦ってるのかすらも…

そう何も知らないから出来た奇跡なのかもしれない。

嘴と爪の2段攻撃を掻い潜り、盾で爪が降りてこないようにすると。

目の前には柔らかい白い胴体のみが広がっていただろう。

そこに向かって全ての力を込めて剣を刺し込んだ。

その後は…

ドスランポスの全体重が自分に圧し掛かり、残った鈎爪が彼の胴体に食い込んでいく。

そして…

ランポスの跳躍の勢いの方が上なのは明白。彼とドスランポスは一緒に地面に叩きつけられ、転がっていった。

ドスランポスはもう身動き一つ取れなかった。

彼の剣が心臓に突き刺さったのだろう、絶命していた。

彼は?

いつの間にか動くようになっていた足でよろよろと彼の方に歩く。

ドスランポスの下敷きになっていなければいいのだが…

Re「ナマハゲ君…ナマハゲ君!!」

ナマ「お~~~」

声が聞こえた。

ナマ「すんごく生臭い~~出られない~~」

やはりドスランポスの下にいるらしい。でも声に力があったのがわかった。

ドスランポスの死体をどかすと、その下には鱗まみれになっている彼がいた。

倒れたまま顔を見せると。

ナマ「これで・・・俺もハンターになれたかな?」

Re「…うん、もう立派なハンターだよ」

やったね!と彼が満面の笑みで私を見る。

ナマ「さぁ…素材を剥いで帰りますか」

Re「そういえば君はどこから来たの?」

ナマ「近くのオネスト村…です…あっいてて…」

Re「オネスト?ちょうど私もオネストの鍛冶屋に行く予定だったからよかった。帰りながらさっきの続き…教えてあげるね」

ナマ「それは…楽しみだぁ」

 

こうして、私とナマハゲはドスランポスの素材を剥ぎ取り、村への帰路についた。

途中何度か彼が倒れそうになったが、何故だか村に近づく度、彼の体力が回復しつつあったのは気がかりだった。

でも、そんなことは今はどうでもいい。

この新たな出会いが、私にとって大きな変革になる。

そう思えてならない。

きっとこれからの旅になくてはならない存在になるのではないかと…

そう信じられる。

信じていける…

フロンティア歴 0756年 寒冷期三の月の夜 

Reon プライベートログ 第2巻P51より抜粋

 

次回「試験続行」に続く。

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2008年3月16日 (日)

モンハン妄想生活 第4話

「蒼き狩人の咆哮」

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ナマ「さぁ…かかってこい!仲間の仇を取りにこい!!」

いつもはとしてしか見ていなかった物の思わぬ反撃を受けたが、それでも彼等狩人にとっては仲間の死さえも、狩りの対象が狩れれば問題ないのだろう。

相変わらず1匹は陽動、もう1匹が側面より攻撃をしかける態勢を変えない。

先ほどの攻撃では側面側が先に攻撃を仕掛けてきたので、俺はまた同じだと考えていたが、今度は違っていた。

側面に気を取られていると、奴の顔がにやりと笑うように見えた。

来る!

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陽動と思っていた正面が、今度は鋭い嘴を大きく開き、俺に飛び掛ってくる。

ナマ「ちぃ!」

反射的に盾を構えることができたおかげで、腕を奴に持っていかれないで済んだのは幸運だった。

奴の全体重を掛けられた飛び掛りに、身体を仰け反りはしたが、すぐに体勢を直し、反撃に転ずる。

しかし、奴らもそう馬鹿ではない。

すかさず後退し、また俺の動きを見る…

奴らは仲間の死と引き換えに、俺の攻撃の間合いを覚えた。腕を最大に伸ばした状態、そして剣の長さを考慮した位置で、クケケケケと声をあげる。

ナマ「こいつは手厳しい…」

だが心の中では、この状況を楽しんでいる自分がいる。

強き物と戦え!

奴らの肉を切り裂け!

と俺の中の何かが…そう叫び続けている。

その感情に支配された俺の身体は熱く滾り、剣を、盾を構える腕に自然と力がみなぎってくる。

少しの時間…

10秒くらいか?それとも10分?

互いに距離を空けて1歩も動かない状況が続いていると、遠くから奇声が聞こえてきた。

その声に反応した2匹は、目の前にいる餌のことを忘れ、一目散に走っていってしまった。

ナマ「おい!まだ終わってないぞ!」

そういう声すらも無視して、奴らの姿はもう見えなくなってしまった…

ナマ「…ッチ」

まぁいい…まだ時間はある。

俺は早速先ほど倒した1匹の死体の前に立ち、剥ぎ取り用のナイフで剥ぎ取りを始めた。

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剥ぎ取ったのは奴の鱗つきの皮。

ついでに牙や爪も剥いでやろうと思ったが、何故だかナイフを取り出せない。

その上、死体が瞬く間に消えていってしまった。

いつも不思議には思っていたが、モスなども1回ナイフを入れるとすぐに死体が消えてしまう。

まぁ…仕方がない諦めよう。

剥ぎ取った物をポーチの中にしまい、俺は再び歩きだし…

そう、また俺はあの場所にたどり着いた。

先日ドスファンゴと戦った場所だ。

もしかしたら…

と思ってはいたが、白い牙獣の姿はなかった。

そして俺は、時間があるので周囲の散策をしてみることにした。

初めにドスファンゴがやってきた方向を見ると、緩やかな下り坂になっていて、降りしきる雨の音の中に、波音が小さく聞こえていた。

海が近いんだ。

せっかくだ。色々見てみよう。

坂を下りきると、小さな島が見える浜に到着した。

その左には洞窟が二つ見える。

俺は子供のように、冒険心に火がつき、奥に見えた洞窟の中に猛ダッシュで入った。

その中はとても大きな空洞になっていて、左側には見たこともない大きさの滝が流れていた。

ナマ「うわぁ…すげぇ!」

水しぶきが舞い上がり、戦いで火照った身体の温度を心地よく下げていってくれる。

正面を見ると、半透明の結晶群が岩からむき出しに出ているのが見えた。

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あれは一体何だ?

目に見える物全てが新しく、飽きる暇を与えてくれない。

早速その結晶の前まで行き、触れてみるとひんやりと冷たい鉄鋼のような感触だった。

ナマ「取れないかな?」

ここで俺はアイテムポーチから何かないか探してみると…

使えそうな物があった。

おやっさんが事前に用意してくれたピッケルだ。

ポーチから出し、結晶めがけてピッケルを振り下ろすと、結晶の一部が砕け散った。

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それを何度か繰り返し、手に入れたのは鉄鉱石と土の塊と氷の塊と石ころ。

石ころなんて村にでも十分転がっているので、そこらへんに投げ捨てる。

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そして、また俺に疑問が出てくる。

結晶は全然残っているのに、ピッケルでいくら採掘しても何も出てこない。

ナマ「まだ全然取れるじゃんか!」

また仕様か…

自分ではどうしようもない。

この世界の決め事というか、創造主の設定には従わないといけないから仕方がないよね。

そして。

石ころ大○ーグボール2.5号投げ終えると、洞窟の奥から先ほどみた奴と同じ獣が現れた。

ナマ「ようやくお出ましかい。さっきの続きといこうぜ!」

狩人と、狩人を狩る狩人は、再び互いの距離を測り、相手の動きを見合った。

状況はさっきと同じ、動かなければ何も変わらない。しかし…

動けない…

威勢を放ったのはいいが、相手は2匹、どちらかを攻撃すれば片方に隙ができてしまう。

どうしたらいい…?

先ほどと変わらず、生死をかけた戦いの中で、楽しんでいる自分がいる…が、その中でもまた別の自我が俺の行動を分けていく。

奴らを倒せ!

生き残れ…

矛盾する相対する考えで、頭の中はグチャグチャになっていく。

考えるのを止めて、逃げ出したくなる。だが!

それはできない!

俺はもう昔みたな生活には戻れない。

新たな道へ踏み出したばかりで逃げるわけにはいかない!

意を決して剣を構えた瞬間だった。

後ろから聞いたことのない音が聞こえた。

ガシャンという何かを装填するような音、と同時に!

ドン!という爆発音が洞窟内に響き渡る。

爆発音に驚き、後ろを少し見てしまった一瞬、1匹の蒼き狩人が俺めがけて飛び掛ってきた!

やられる!

と思った一瞬だった。

盾を構える前に、奴の顔面に弾丸が突き刺さり、弾丸が目の前で爆ぜた。

ナマ「っく!」

爆発の勢いと閃光が消えた後、1匹の狩人はすでに動かなくなっていた。そして俺がたじろいでいる間に2発目の発射音が鳴り響き…

俺を死角から攻撃せんとしていたもう1匹の横腹に弾丸が貫通した。

一体何がおきてるのかがさっぱりわからなかった。

弾丸が飛んできた方向を見ると、崖があり、その上に一人人間がいたのが見えた。

その手に持っている巨大な銃砲から硝煙が立ち昇っていた。

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ナマ「何だ?誰だあの人は…?」

だが、とにかく助かったのは事実、彼女が現れなければ混乱した頭で、あの2匹を倒さなければならなかっただろう…

ナマ「えっと…ありがとう~~~!助かりました~~~!」

俺が礼を言っている間に、彼女は新しい弾奏を装填し、再び構えると初めて声を出した。

Re「来るよ!武器を構えて!!」

え?

すると先ほど2匹が現れた方角から、赤く大きな鶏冠をつけた獣の姿が見えた。

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さっき倒した奴の1.5倍はあるその体躯…

長く鋭い爪、

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標的の肉を切り裂くために進化した足の鈎爪。

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そして頭の大きな赤い鶏冠。

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間違いない。こいつが奴らのリーダーだ!

仲間がやられ、その死体を確認すると、奴は天に向かって2度吼える。

その声は死んでいった仲間を弔うためのものなのか?

それとも俺らに対する威嚇なのかはわからない。

洞窟内に響くその声は、不気味なほど頭の中に響いて残っていく。

ナマ「こんな奴まで…」

俺は本当に何も知らない世界で過ごしていたのだとつくづく痛感した。

村の少し先には、こんな…

こんなにも自分の知らない世界があったなんて!

目の前に現れた強敵との戦いの始まりに、恐怖と緊張、戸惑いすらも俺の中では未知の世界への探求心に勝てなかった。

俺は今…喜んでいる!

蒼き狩人と若き狩人との衝突は、もう免れない。

彼にとって長い旅の始まりの合図は、この時だったのかもしれない。

そして、彼にとって一番の盟友となる者との出会いも果たしていたことを…彼は知る由もなかった。

Re「援護する!弾に当たるなよ!」

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ナマ「おう!」

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彼女の第3発目の狙撃と共に、俺のハンターとして初めての戦いは始まった。

「蒼爪の脅威」へ続く。

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2008年2月26日 (火)

モンハン妄想生活 第3話

「狩人としての一歩」

 

「俺をハンターにしてくださいませんか!?」

彼女からの返答はすぐに来なかった。

当たり前だ、出会って早々瀕死の男が、助けてやっていきなりこんな事を言い出しても素直に「わかった」なんて言うはずもない。

俺はなんて馬鹿な事を言ったんだ…と内心後悔し始めた時、閉じていた彼女の口がゆっくりと開いていった。

詩「…ハンターになりたい…か…」

ナマ「…ハイ」

詩「小僧…一つ聞く。何故お前はハンターになりたいんだい?」

ナマ「大切な…物を守るため」

詩「…それだけじゃないだろう?本当の理由は…」

まるで俺の心を全て読んでいるかのような彼女の発言に、俺は戸惑ってしまった。

そう…本当の理由は…

ナマ「…どういう表現で表していいかわからないんですが…今日の昼に…俺知ってしまったんです」

詩「…」

ナマ「命をかけて戦うこと…生きるか…死ぬか…の戦いの中で、自分より強い生き物と戦うこと…それが俺が今まで感じたこともない充実感を与えてくれたんです」

詩「…」

ナマ「あの感情は、あの平原についた時から感じていたんです。知らない場所で、見たこともない物と戦って…知ったんです」

ナマ「もっと知らない世界を見て、知って、触って、戦って…もっと、もっと生きたい!生きてることを実感したい!…それが理由です…」

自分が言ってることは、今の危険のない平和を捨てて、命を危険に曝すことだって分かっていた。

ただ生きたいのなら、今、自分が言ったことはまったく矛盾しているのもわかっている。

そうじゃない!

俺は生きてることを実感して、様々なことを見て、感じてみたいんだ!

それをうまく伝えられる自信はなかった。

そして…

詩「…わかった。だが、私がお前をハンターにすることはできない」

ナマ「え!?」

やはり無理か…俺はやっぱり馬鹿なんだなぁ…

詩「ハンターには、「させられて」なるもんじゃない。自分の意思で「なる」もんなんだ。わかるかい?」

ナマ「…」

詩「ハンターになるための力を貸すことはできる。あとは…自分の力でハンターになるんだ」

ということは…

俺はハンターになれるんだ!

ナマ「ハイ!ありがとうございます!」

詩「しかし…半日前までモンスターにやられて死に掛けてたっていうのに…つくづく馬鹿な小僧だなお前は^^」

ナマ「あっ…はは…そうですよね。おかしいですよね」

詩「でも嫌いじゃないよ。お前みたいな奴さ」

そんな会話をしていると酒場の奥にある階段から、さきほどいた女性が降りてきた。

Ra「お!もう動いていいのかい?」

ナマ「ハイ!皆さんのおかげです^^」

Ra「…そうかい…まぁ!なんにせよよかったな無事で。…んで?団長?どうなったんで?」

何のことだろう?

団長?

詩「ああ、やっぱり「なりたい」ってさ」

Ra「そっか。おやっさんに話はつけておいたよ」

??

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そう聞くと詩子は、小さい手紙を取り出し、何かを書くと俺に渡してきた。

ナマ「これは?」

詩「いっただろう?力になるって。この奥の階段を昇ったら鍛冶屋があるから、そこでちゃんとした防具と武器を作ってもらいな。これは鍛冶屋のおやっさんへの紹介状と依頼書だよ」

ナマ「え!?でも…俺お金あんまりなくて…」

詩「金なんかいいさ、その防具と武器を作る素材をこいつが今渡してきたから」

詩子がこいつと言いながら指さしていた女性ハンターが、俺ににっこりと微笑んでくれた。

ナマ「ありがとうございます!えっと…」

Ra「…?ああ~私はRaqualっていうんだ。よろしくな ^^」

ナマ「よろしくです!俺ナマハゲって言います!」

詩、Ra「ナマハゲ?」

ナマ「ハイ。ナマハゲです」

二人の顔が微妙にピクピクしている。

何かを必死に堪えているようだった。

さらに彼女達の腹筋が、苦しむように躍動をしているのがわかった。

そう…

俺の名前ははっきりいって変だ。

昔母に尋ねたことがある。

なんで「ナマハゲ」っていうの?って…

母はゆっくりと語ってくれた…

母「それはね…長い長い話になるよ…」

ナマ「それでもいいからおしえて~?」

母「まぁお前がもう少し大人になったらね^^」

ナマ「いやだいやだ~~!みんなぼくのなまえをバカにするんだ!おかしいって!」

母「ちっとも変じゃないわよ?だって、お父さんがつけてくれた名前だもの」

ナマ「おとうさんが?」

母「うん^^お父さんが育った国の強い人の名前なんだって^^悪い事をした人を正しく導くことができる人なのよ?」

ナマ「へぇーーー!すごい!ぼくのなまえすごいんだ!」

母「そうよ^^すごいのよ。あとは…」

ナマ「?」

母「作者の事情っていうのがあるのよ^^それ以上はUCGO時代の作者の色々な出来事を知らないとわからないわねぇ」

ナマ「 ( ゚д゚)!! 

そう…

俺が親父を憎む理由の一つは、この名前にある。

明らかにイジメの対象となるような名前を付けやがって…

母さんも母さんだった…

何で「本当にそれでいいの!?」って反対しなかったんだ!

作者の事情とか…何の話なんだよ…

確かに!時折村に来るハンターにも、「何故この名前がついたんだろう」って不思議に思う人もいる!

でももう慣れたよ。

いちいちツッコムのも疲れた。

そんなことを思い出している最中にも、目の前の二人は耐えるのに疲れたらしく。

床を転げまわっていた…

そんなことにも慣れた俺は、彼女等からもらった紹介状を手に、鍛冶屋に向かって歩き出した。

 

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詩「ふぅ…」

笑い疲れた後、再び席に座って、喉の渇きを潤す二人。

Ra「いい感じの奴じゃないか。やっぱり思い違いなんじゃないのかい?」

つい先ほどまで二人を暗くさせていた話題を、Raquelは再び持ち出した。

詩「…どうかねぇ…でももしあいつがそうなのであれば…早めに手を打つことはできそうだね」

Ra「…正しき道を…進んでくれればいいんだがねぇ」

詩「…そうだね…さて、そろそろ宿に戻ろうか。明日は忙しくなりそうだからね」

Ra「そうだね」

それは酒の酔いなのか、それとも出会った男が予想していたものと違ったという安堵感なのか…急激に思いつめていたものが吹っ切れて、彼女達は久しぶりに暖かいベッドで眠れる夜が訪れた。

 

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ナマ「え~~っとおやっさんは…いたいた」

鍛冶屋への階段を降りると、そこは灼熱の世界ともいうべき場所だった。

鉱石を熔けるまで加熱し続ける鍛冶屋の大きな竈は、いつも火がついていて、消えることはない。彼等に休息と言える日は、この竈の火が燃え続ける限り訪れない。

その理由としては、俺をはじめ、村人、ハンターまでもがお世話になるこの鍛冶屋は、とても有名らしく、様々なものを作ってくれる場所だからだ。

この鍛冶屋の噂は、俺の知らない遠くの国にまで伝わっているようで、多くのハンターがここに来ては新しい防具や武具を作っていき、また旅立っていく。

そんなおやっさんは、訪れたハンターの全員の顔を覚えているという。

自らの命をかけて強大な獣達と戦うハンター…

その恩恵を受けて、周囲の村や、この国は成り立っている。

そんな彼等の力となるために、生きて再びこの鍛冶屋を訪れてもらうために…

おやっさんはほとんど寝ることもなく、この鍛冶屋に立ち続け、戻ってくるハンターのために大きな声で

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「おう!ナマハゲじゃないか。今日はどうした?」

と挨拶してくれる。

ナマ「やぁおやっさん」

鍛「ん?また包丁が切れなくなったか?この間砥石をやったろう?あれで研げばすぐ切れるようになるぞ?」

ナマ「いや、今日は違うんだ」

鍛「ん?ならなんだ?あ~~~床屋の猫の鋏のことか?」

ナマ「いや、それでもないよ。これを渡せばいいって言われたんだけど」

鍛「ん…?…」

おやっさんは目を細くして紹介状を見始めると、いつもの大らかな笑顔が消えていった。

鍛「…詩子からの依頼か…それで…か。さっきアイツがきたのは」

アイツというのはRaquelさんのことだろうか?それを聞く前に、おやっさんは紹介状をキレイにたたんで、ポケットにしまうと、俺の顔を見据えて言った。

鍛「お前がハンターになる日が来たか…本当は俺の所で働いてもらおうと思ってたんだがなぁ」

以前、包丁が折れてしまった時に、おやっさんに手ほどきを受けて自分で包丁を治した時に、この鍛冶屋で働かないか?と薦められていた。

ナマ「ごめんよ…でも俺さ…」

鍛「いや!皆まで言うな!男たるもの自分で決めたことを突き通すことが大事だからな」

ナマ「ありがとうおやっさん」

鍛「いいってことよ!素材はもらってるし、金もいらん!今のお前にぴったりの物を作ってやるからな!できたら宿に届けてやるから宿で待ってな!」

そう言うとおやっさんは大釜の前で作業を始めた。

 

数時間後

 

できたぞ~~~~!!!

というでかいおやっさんの声で俺は飛び起きた。

宿で待っている間に眠ってしまっていたらしく、外は全てを飲み込んでしまうような闇が広がっていた。

鍛「早速着てみろ!」

まるで子供の晴れ姿を早くみたい父親のように、俺の身体に防具をガシャガシャと装着させていく。

ナマ「ちょ!自分でやれるって!」

鍛「いや!最初は防具の装着に時間がかかる!これは簡単に装着できるやつだが、最初は誰かに着せてもらって着方を覚えるんだ!はい!足あげて!」

ナマ「わかったわかったから!あっ!そんな場所まで!!」

鍛「…随分と成長したのぉ…」

鍛冶屋のおやっさんの手伝いで色々とされた後、なんとか無事に装着が完了した。

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ナマ「おお…おおお!!」

鍛「うん、いい感じだな!」

全てが俺のサイズに合わせてあり、窮屈でも、大きすぎることもない。

重さもなく、本当に金属でできているのか?と思えるほど軽量な鎧にしばし見入ってしまった。

鍛「さて、仕上げといくか」

ナマ「?」

鍛冶屋のおやっさんが手にしたのはロープだった。

ナマ「え?それで何をするの?」

鍛「何って…縛るんじゃないか…ハァハァ…」

ナマ「!」

鍛冶屋のおやっさんの熱い吐息が聞こえてくる。

一体ナニを縛るのか…

そもそも鎧の上から縛る意味がわからなかった!

ナマ「え?ちょ!何なの!!!?おやっさん…こっち来ないで…」

ハァハァハァ…

ナマ「いやだ…いやああああああああああああああああ!!!

鍛 「これだから止められまへんなああああ!!!!!!」

おやっさんが変な吐息を吐いて、変な言葉使いになるから怖くなったが、なんてことはない。関節や腕、足の付け根を縄でちょっときつく結んだだけだった。

それでも動きが悪くなることもなく、これが何の意味なのかわからなかった。

鍛「うし!これで完璧!」

ナマ「…これは何の意味があるんだい?おやっさん?」

鍛「ん?これはな加圧式トレーニングだ」

この後おやっさんは色々細かく説明してくれたが、よくわからなかった。

ただ言えるのは、この縄が締め上げることで動くだけで筋肉をつけることができるらしい。

鍛「さて、これで俺の仕事は終わり」

そういうとポケットにしまっていた紹介状の下の部分を切り取り俺に渡してきた。

ナマ「?」

鍛「これを酒場にいるハンター登録所にいる娘に渡してこい。それでお前はハンターとしての資格試験を受けられる」

ナマ「試験!?」

はっきり言って俺は毎日ダラダラ過ごしてきたせいもあり、頭が非常に悪い。

まぁ…ぶっちゃけてしまえば…

作者自身も頭が悪いということが一番の原因であろう!

ナマ「俺勉強なんかしたことないから試験なんて受からないよ!」

鍛「ははは!!ハンターに勉強なんかいるかい!いるのは強敵や困難に立ち向かう勇気だけだ!」

ナマ「え?…じゃあ試験って何をするの?」

鍛「…」

知らん!!

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おやっさんはその一言だけ言った後、急いで仕事場まで戻っていき、俺は一応言われた場所にいた女性の前に来てみた。

試験っていったらやっぱり何か書いたり、考えたりしなきゃいけないんだよなぁ…

挙動不審の俺を見かねた女性の方から話しかけてくれた。

受付「ハァイ。ハンター登録ですか?」

ナマ「え?あっハイ…そうっす。あっあとこれを」

紹介状を渡すと、それを軽く目を通した彼女は自分の名前を書き、カウンターの中の箱にしまった。

受付「それでは試験を受けてもらいまハァイ^^」

ナマ「…やっぱ勉強してから…出直します!」

受付「勉強?あはははハァイ!」

しゃべり方に無理があると思う。

バカにされている気もする、が…まぁ今は何も言わないでおこう。

ナマ「試験っていうのはどんな内容なんすか?」

受付「試験では村の外にある密林でキノコを取ってきてもらいまハァイ!

ナマ「…ハァ…キノコっすか?それをいくつくらい?」

受付「5個です」

ナマ「それだけ?」

受付「それだけでハァイ!

ナマ「…じゃあ試験に行ってきます」

受付「ハァイ!気をつけて^^」

ナマ「ハァイ、じゃあ」

受付「ぷwなんですか?そのハァイってw」

 

無事に帰ったら、まずこの女をぶっ飛ばそう。そう決めて俺は村の外出口を後にした。

村を出ると、さきほどより明るくなった世界が俺を待っていた。

もうすぐ夜明けなのだろうか、しかし、太陽の光を遮る厚い雲と、まるで空が泣いているかのような大粒の雨が降っていた。

俺はいつものキノコ狩りポイントまで向かってみた。

キノコ5個を持って帰ればハンターになれる。

ナマ「なんて簡単な試験なんだろうか」

もう食える食えない関係なしにキノコを持って帰ればいいのだろう。

それならすぐできる。

少し歩くといつもの場所に到着した。

俺はいつも昼にしかこないから夜のこの場所がどうなっているか知ることはなかった。

ナマ「さて、キノコを持ってかえ…ろう…」

降りしきる雨が俺に容赦なく降り注ぎ、目の先の先端に水滴をいくつもつくっている。

その水滴ができて、落ちる瞬間。俺は目の前にいる獣達の存在を認識した。

青と黒の縞模様。

肉を裂くための手の爪。

骨を噛み砕くための鋭利な牙。

獲物を仕留めるための大きな鍵爪。

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奴等も俺を発見したのだろう。

1匹が大きな声を上げると周囲の3匹が俺を睨み付ける。

「今日の飯がキタゾ」といっているように1匹が舌なめずりをする。

ハァ…ハァ…

俺の中で、先日こみ上げてきた感覚が蘇る。

こいつ等の胃袋に納まるわけにはいかない!

おやっさんが丹精こめて作ってくれた武器と盾を構える。

信じられないが、その剣も盾も、まるで俺だけのためにあしらわれた物のようにしっくりとくる。

これなら戦える。

無意識のうちに俺はニヤリとしていた。

今度は俺にも勝ち目がある。

その顔を見たからなのだろうか?最初に俺をみつけた奴が、他の3匹の顔を確認し、小さい声をいくつか上げた。

そして

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1匹目が俺にめがけて大きくジャンプをして襲い掛かってきた。

その間に他の2匹が横に展開し、俺を挟み撃ちにする態勢に入った。

カリノジカンダ…

奴等にとっては俺は完全な餌なのだろう。

クケケケケケケケという不気味な叫びなのか、笑い声を3匹があげる。

ナマ「へっ俺は餌としてしか見られてないのかい…そうは」

俺の言葉を遮るように、右横にいた奴が死角から襲い掛かってきた。

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だが!それは十分予想できた。飛び掛ってくる寸前、奴の腹部に刃を当てると、今まで包丁の切れ味しか知らなかった俺の想像を遥かに超える攻撃力で奴を切り裂いた。

Rannposu  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナマ「簡単にはいかねぇんだよ!」

俺の攻撃の後、奴の身体は後方に吹っ飛んでいき、その後は起き上がることはなかった。

それを見ていた残りの3匹中1匹が森の奥に消えていくのを視界の端で捕らえていたが、深追いはしないでおこう。

俺は本来の目的である。

「キノコ5個(食える食えないは特になしとして)の納品」

よりも、初めて見たモンスターとの戦闘に酔いしれていた。

モスや他の草食獣を仕留めるのとは全然違う感覚が俺の中を駆け巡り、そしてさらにその感覚を求めるために、俺は剣を強く握りしめた。

ナマ「さぁ仲間の仇を取りにこい」

自分でもその時は、高ぶった感情のせいでそんなことを口走っていたのだと…

思っていた。

だが…

俺の中で、長きに渡って眠っていた物が、俺を支配し始めていた事に…

まだ気付いていなかった。

 

第4話「蒼き狩人の咆哮」に続く。

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2008年2月23日 (土)

モンハン妄想生活 第2話

モンハン妄想生活第2話

「夢から覚めて、夢の向こうへ」

 

暖かい…

それでいて体が浮いているような感覚。

まるで南の島国の、暖かい海の上に浮いているかのようだ。

死んだ後っていうのはこんなにも気持ちいいものなのか。

死ぬことがすごく怖かったけど、こんな感覚をずっと感じていられるなら、悪くないな。

しばらくすると、暖かさの中に、少し寒い風が頬にあたる。

それはそれでまた心地がよい。

「なんて気持ちのいい場所だ…」

思わず言葉が出てしまう。

もう何も考えなくてもいいんだ…

あんな化け物と戦うことも。

誰かを守ることも…しなくていいんだ。

そうだ…ここが死の世界なら、さっき俺を助けてくれた女性も来ているのだろうか?

もし助かっているのなら、俺は少しでも母の言うような人間になれたのだろうか?

…生きていて欲しいなぁ…

俺が無駄死にじゃないことを願って止まない。

しばらく何も考えずにただ過ごしていた。

目は開かないが、閉じた視界の端のほうで、何かがチラチラと光っているのはわかった。

時折吹く風が、寒冷期の冷たい風と似ていて、冷たさと枯れた葉の匂いを運んでくる。

天国にも季節はあるし、葉も枯れるんだなぁ…

でも…

腕も足も頭も動かせないんだなぁ…

…退屈だ…

ほんの少し前に、ドスファンゴと戦っていたのが、すごく遠い過去のように思える。

確かに怖かった。

恐怖で身体は動かなくなり、思考もうまくできなかった。

あの時…何を考えてたのかな…?

ドスファンゴと向かい合い、互いに譲れない状況の中。

そうだった…

俺の中で、生まれて…物心ついた頃からずっと満たされなかった感情が俺を支配し、突き動かしていた。

脳からの命令を無視し、力なんてどこに残っていたのかわからない状況の中で。

手に持っていた武器を強く握り、ぼやけてくる視界の中で、奴の姿だけをじっと見ていた。

そう…

俺は生死の狭間の中で、狩人としての感情を初めて知った。

生きるか死ぬか、その中で生きるために!

強大な力に立ち向かっていく…

今までの平穏な生活を捨て、未知の世界への第一歩を踏み出した喜びが、俺の身体の隅々に広がっていったんだ。

あの時のことを思い出したら、また胸の鼓動が高鳴っていく。

ドクン…ドクン…ドクンドクンドクン…

…はは。死んでても心臓が動いているのか。

…また…戦いたい…なぁ。

また…あの時の感情を味わいたい!

死んでる場合じゃなんいだ!

どうしたらいい!?

どうしたら!?

閉じた視界に見えていた、光が一瞬強く光ったように見えた。

あれか!?

今はそれしか考えられない。その光を手に掴めば…

またあの感覚を感じられる気がした!

うっ…うああああああああああああああああああああ!!!!

大きく手を伸ばして、闇の中にある小さな光に手を伸ばした。

戻りたい!生きたい!

生きて…また!!

俺は生きたい!!

俺は生きたいんだ!!!

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あれ?

急に視界が開けて、周囲を見回すと、知らない場所にいた。

あれ?

なんだ?どうなってるんだ?

看護猫「みゅ?起きたかみゃぁあ?」

横に寄ってきたウチにいる猫と同じような猫が俺の顔を覗き込んできた。

視界がはっきりしてきて、それに伴って思考能力も戻ってきた。

ウチの村にある宿舎になんとなく似ている気がする。

ナマ「俺は?あれ?生きてる?」

看護猫「おきゃくさ~~~ん。目が覚めたみゃあ~」

?「おう!今行く!」

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詩子「目が覚めたか小僧?」

ナマ「え?あっはい…って!小僧??」

どう考えても俺と同い年か年下にしか見えない女に小僧よばわりされたことに少し腹がたったが。

詩子「ハンターとしてはまだまだ小僧同然、だから小僧と呼んだ。あの時、私らが来なければ確実に死んでいたお前を、ここまで運んで治療もしてやったのだ。文句は言えまい?」

ナマ「…」

しかし、その言葉で、今まで空白だった部分が埋まった。最後であり最初の大きな部分以外は。

ナマ「俺は生きてるんですよね?」

そう…最後の空白である、ここが死後の世界でないことを確認したかった。

詩子「…生きてるよ。よかったな小僧」

そうか…生きてるんだ!

ナマ「そう…ですか…よかった…生きてる。俺生きてるんだ!」

それと同時にもう一つ確認したいことがあった。

ナマ「あっあと俺を助けてくれた女性がいたんですが…どうなりましたか?」

詩子「…ああ、なんとかな」

ナマ「よかっ」

詩子「しかし情けない…油断するからファンゴごときにやられるんだ。まぁあいつにはいい薬になっただろう。それと小僧。お前もハンターなら防具もつけずにあんな武器で…無謀な戦いをするのはハンターとしては失格だ。救える命も救えんし、逆に自分が死ぬこともある。よく覚えておくんだな」

ナマ「…」

俺はまだハンターではないが、俺のせいであの女性が危険になったことは事実。

何も言い返せなかった。

詩「まぁいい。顔を洗って着替えたら酒場に来い」

ナマ「あっハイ…」

宿舎を出て、俺は自宅に向かう。

足を一歩踏み出せば、懸命に生きている草達の匂いが香ってくる。

空を見上げてみると、今まで感じたこともない安堵感がこみ上げてきて、今、生きていることをふつふつと感じていた。

家に到着すると、どこから採ってきたかわからない素材をぶっこんだ何かの鍋の匂いがする。

猫「みゅ?帰ってきたみゃ~?今日は鍋だみゃ~^^」

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ナマ「おお!そうかそうか^^どこで採ってきたの?」

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猫「え?ああ^^食材屋のおばちゃんからもらってきたんだみゃあ~ささ!食べてみるみゃあ~」

ナマ「う~~~ん^^いい匂いだぁ~何のダシ汁?」

猫「え?…ああ!それは村長さんからだみゃあ~~さぁ!そんなことはいいから!食べるにゃ!」

ナマ「…この青いキノコはなんだ?」

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猫「え…?」

ナマ「この得体の知れない塊はなんだぁ!!ええ!!??」

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猫「あみゅ~~…」

ナマ「何が「あみゅ~」だ!ま~た!そこらへんに生えてる怪しげな物ばっかぶちこんだだろ!お前!…一週間前におんなじようなキノコ食って!俺がどんだけ苦しんだかもう忘れたか!お前も食って2日間も別の世界に旅立ちそうになったのもう忘れたか!?」

猫「肉は本物だみゃ!」

ナマ「じゃあ他はなんだよ!?」

猫「うっ…」

いつもの会話。

いつもの俺の家での会話…

帰ってくると、この猫が作る料理といったら、それは驚異的な物だ。

運がよければ、この世のものとは思えない味だったとか…色んなおいしい味はするのだが。

それも運がよければ!の話であって、ひどい時は意識を失ったり、悶絶したりと…それはそれは思い出すのも恐ろしい味になる。

ちゃんと俺が選んだ素材なら、そんなことはないのだが、時折そこらへんに生えているものや、どっからもってきたかわからない奇妙な形の物体を、かまわず鍋に入れて…

煮る!

はっきり言って見た目ではとてもうまそうな外見が恐ろしい。

…でも…

それでも帰ってくると、ちゃんとご飯を作って待ってくれる人(猫)がいるのは嬉しいことだ。

もし、あの時…死んでいたら…こんな馬鹿げた会話もできなかったんだなと…

そう思うと涙が溢れてきた。

猫「!泣くことはないにゃ!確かに素材は村の入り口の便所の脇から採ってきたけど!ちゃんと食べれるって調合じいさんも教えてくれたみゃ!スープもちゃんと味を食材屋のおばさんに味見してもらったし…」

猫「…おばさん気失ったけど…

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何でかはわからないが、今日はやけに一生懸命に話をするウチの猫。

一部気になる部分はあるが…

その姿にまた涙が出てきてしまい。俺は背中を向けてしまった。

猫「でもでも!ちゃんと食べれるから!大丈夫だから!…大丈夫だみゃぁぁ…」

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猫の声も涙声になっていて、どうしてもこの鍋を食べてほしかったらしい。

いつもなら「いらないなら捨ててくるにゃ!!」なんて言って家の近くの川に投げ捨てるくらいはするのに…今日は違っていた。

 

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猫「…今日宿屋の猫がウチにすごい勢いで駆け込んで来たんだにゃ…」

ナマ「…え?」

猫「宿に血だらけのご主人が来たって…」

…そうか…それでか…

猫「ご主人を連れてきてくれた人が薬を調合してくれて…でも…ご主人はすっと眠ったままで…口を開けてもくれなかった…」

猫「ご主人がいなくなっちゃうのは…もう嫌だみゃあ…悲しくて悲しくて…泣きそうになったら薬を作ってくれた人が言ったみゃあ…」

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詩子「大丈夫…こいつはこんなことじゃ死なないよ^^すぐに元気になるから、家でウマイ飯でも作っててやんな。食ったらもっと元気になるようなやつをな」

猫「だから!今日のは絶対においしいから!食べたら前よりもっと!もっと!!元気になれるみゃ!…だから…食べてほしいみゃぁぁぁ…」

ウチにいる猫は、以前からウチにいたわけじゃなかった。

母がいなくなって、独りで夕飯の材料の魚を釣っていたときに、釣った魚を勝手に食った後で…

猫「髪切りの修行で世界中を回ってるんだにゃ!魚のお礼に髪を切ってあげるみゃ!」

と言い。

ぼっさぼさだった俺の髪

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猫「う~~~ん我ながら素晴らしい出来!…なんか今にも」 

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猫「シルバー○ャリオッツ!! とかって言い出しそうだにゃ^^」

ナマ「いやいやいやいや!こんなんいやじゃ!やり直せ!!」

それ以来から、我が家に居座り、村人の髪を切っていくのがこいつの仕事になった。

俺には昔のことは一切話さないのに、他の家の猫には話したらしい。

こいつは遠い…遠い東の国から来たらしい。その国で平和に床屋の家で、暮らしていた時…みたこともない大きな