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2008年2月26日 (火)

モンハン妄想生活 第3話

「狩人としての一歩」

 

「俺をハンターにしてくださいませんか!?」

彼女からの返答はすぐに来なかった。

当たり前だ、出会って早々瀕死の男が、助けてやっていきなりこんな事を言い出しても素直に「わかった」なんて言うはずもない。

俺はなんて馬鹿な事を言ったんだ…と内心後悔し始めた時、閉じていた彼女の口がゆっくりと開いていった。

詩「…ハンターになりたい…か…」

ナマ「…ハイ」

詩「小僧…一つ聞く。何故お前はハンターになりたいんだい?」

ナマ「大切な…物を守るため」

詩「…それだけじゃないだろう?本当の理由は…」

まるで俺の心を全て読んでいるかのような彼女の発言に、俺は戸惑ってしまった。

そう…本当の理由は…

ナマ「…どういう表現で表していいかわからないんですが…今日の昼に…俺知ってしまったんです」

詩「…」

ナマ「命をかけて戦うこと…生きるか…死ぬか…の戦いの中で、自分より強い生き物と戦うこと…それが俺が今まで感じたこともない充実感を与えてくれたんです」

詩「…」

ナマ「あの感情は、あの平原についた時から感じていたんです。知らない場所で、見たこともない物と戦って…知ったんです」

ナマ「もっと知らない世界を見て、知って、触って、戦って…もっと、もっと生きたい!生きてることを実感したい!…それが理由です…」

自分が言ってることは、今の危険のない平和を捨てて、命を危険に曝すことだって分かっていた。

ただ生きたいのなら、今、自分が言ったことはまったく矛盾しているのもわかっている。

そうじゃない!

俺は生きてることを実感して、様々なことを見て、感じてみたいんだ!

それをうまく伝えられる自信はなかった。

そして…

詩「…わかった。だが、私がお前をハンターにすることはできない」

ナマ「え!?」

やはり無理か…俺はやっぱり馬鹿なんだなぁ…

詩「ハンターには、「させられて」なるもんじゃない。自分の意思で「なる」もんなんだ。わかるかい?」

ナマ「…」

詩「ハンターになるための力を貸すことはできる。あとは…自分の力でハンターになるんだ」

ということは…

俺はハンターになれるんだ!

ナマ「ハイ!ありがとうございます!」

詩「しかし…半日前までモンスターにやられて死に掛けてたっていうのに…つくづく馬鹿な小僧だなお前は^^」

ナマ「あっ…はは…そうですよね。おかしいですよね」

詩「でも嫌いじゃないよ。お前みたいな奴さ」

そんな会話をしていると酒場の奥にある階段から、さきほどいた女性が降りてきた。

Ra「お!もう動いていいのかい?」

ナマ「ハイ!皆さんのおかげです^^」

Ra「…そうかい…まぁ!なんにせよよかったな無事で。…んで?団長?どうなったんで?」

何のことだろう?

団長?

詩「ああ、やっぱり「なりたい」ってさ」

Ra「そっか。おやっさんに話はつけておいたよ」

??

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そう聞くと詩子は、小さい手紙を取り出し、何かを書くと俺に渡してきた。

ナマ「これは?」

詩「いっただろう?力になるって。この奥の階段を昇ったら鍛冶屋があるから、そこでちゃんとした防具と武器を作ってもらいな。これは鍛冶屋のおやっさんへの紹介状と依頼書だよ」

ナマ「え!?でも…俺お金あんまりなくて…」

詩「金なんかいいさ、その防具と武器を作る素材をこいつが今渡してきたから」

詩子がこいつと言いながら指さしていた女性ハンターが、俺ににっこりと微笑んでくれた。

ナマ「ありがとうございます!えっと…」

Ra「…?ああ~私はRaqualっていうんだ。よろしくな ^^」

ナマ「よろしくです!俺ナマハゲって言います!」

詩、Ra「ナマハゲ?」

ナマ「ハイ。ナマハゲです」

二人の顔が微妙にピクピクしている。

何かを必死に堪えているようだった。

さらに彼女達の腹筋が、苦しむように躍動をしているのがわかった。

そう…

俺の名前ははっきりいって変だ。

昔母に尋ねたことがある。

なんで「ナマハゲ」っていうの?って…

母はゆっくりと語ってくれた…

母「それはね…長い長い話になるよ…」

ナマ「それでもいいからおしえて~?」

母「まぁお前がもう少し大人になったらね^^」

ナマ「いやだいやだ~~!みんなぼくのなまえをバカにするんだ!おかしいって!」

母「ちっとも変じゃないわよ?だって、お父さんがつけてくれた名前だもの」

ナマ「おとうさんが?」

母「うん^^お父さんが育った国の強い人の名前なんだって^^悪い事をした人を正しく導くことができる人なのよ?」

ナマ「へぇーーー!すごい!ぼくのなまえすごいんだ!」

母「そうよ^^すごいのよ。あとは…」

ナマ「?」

母「作者の事情っていうのがあるのよ^^それ以上はUCGO時代の作者の色々な出来事を知らないとわからないわねぇ」

ナマ「 ( ゚д゚)!! 

そう…

俺が親父を憎む理由の一つは、この名前にある。

明らかにイジメの対象となるような名前を付けやがって…

母さんも母さんだった…

何で「本当にそれでいいの!?」って反対しなかったんだ!

作者の事情とか…何の話なんだよ…

確かに!時折村に来るハンターにも、「何故この名前がついたんだろう」って不思議に思う人もいる!

でももう慣れたよ。

いちいちツッコムのも疲れた。

そんなことを思い出している最中にも、目の前の二人は耐えるのに疲れたらしく。

床を転げまわっていた…

そんなことにも慣れた俺は、彼女等からもらった紹介状を手に、鍛冶屋に向かって歩き出した。

 

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詩「ふぅ…」

笑い疲れた後、再び席に座って、喉の渇きを潤す二人。

Ra「いい感じの奴じゃないか。やっぱり思い違いなんじゃないのかい?」

つい先ほどまで二人を暗くさせていた話題を、Raquelは再び持ち出した。

詩「…どうかねぇ…でももしあいつがそうなのであれば…早めに手を打つことはできそうだね」

Ra「…正しき道を…進んでくれればいいんだがねぇ」

詩「…そうだね…さて、そろそろ宿に戻ろうか。明日は忙しくなりそうだからね」

Ra「そうだね」

それは酒の酔いなのか、それとも出会った男が予想していたものと違ったという安堵感なのか…急激に思いつめていたものが吹っ切れて、彼女達は久しぶりに暖かいベッドで眠れる夜が訪れた。

 

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ナマ「え~~っとおやっさんは…いたいた」

鍛冶屋への階段を降りると、そこは灼熱の世界ともいうべき場所だった。

鉱石を熔けるまで加熱し続ける鍛冶屋の大きな竈は、いつも火がついていて、消えることはない。彼等に休息と言える日は、この竈の火が燃え続ける限り訪れない。

その理由としては、俺をはじめ、村人、ハンターまでもがお世話になるこの鍛冶屋は、とても有名らしく、様々なものを作ってくれる場所だからだ。

この鍛冶屋の噂は、俺の知らない遠くの国にまで伝わっているようで、多くのハンターがここに来ては新しい防具や武具を作っていき、また旅立っていく。

そんなおやっさんは、訪れたハンターの全員の顔を覚えているという。

自らの命をかけて強大な獣達と戦うハンター…

その恩恵を受けて、周囲の村や、この国は成り立っている。

そんな彼等の力となるために、生きて再びこの鍛冶屋を訪れてもらうために…

おやっさんはほとんど寝ることもなく、この鍛冶屋に立ち続け、戻ってくるハンターのために大きな声で

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「おう!ナマハゲじゃないか。今日はどうした?」

と挨拶してくれる。

ナマ「やぁおやっさん」

鍛「ん?また包丁が切れなくなったか?この間砥石をやったろう?あれで研げばすぐ切れるようになるぞ?」

ナマ「いや、今日は違うんだ」

鍛「ん?ならなんだ?あ~~~床屋の猫の鋏のことか?」

ナマ「いや、それでもないよ。これを渡せばいいって言われたんだけど」

鍛「ん…?…」

おやっさんは目を細くして紹介状を見始めると、いつもの大らかな笑顔が消えていった。

鍛「…詩子からの依頼か…それで…か。さっきアイツがきたのは」

アイツというのはRaquelさんのことだろうか?それを聞く前に、おやっさんは紹介状をキレイにたたんで、ポケットにしまうと、俺の顔を見据えて言った。

鍛「お前がハンターになる日が来たか…本当は俺の所で働いてもらおうと思ってたんだがなぁ」

以前、包丁が折れてしまった時に、おやっさんに手ほどきを受けて自分で包丁を治した時に、この鍛冶屋で働かないか?と薦められていた。

ナマ「ごめんよ…でも俺さ…」

鍛「いや!皆まで言うな!男たるもの自分で決めたことを突き通すことが大事だからな」

ナマ「ありがとうおやっさん」

鍛「いいってことよ!素材はもらってるし、金もいらん!今のお前にぴったりの物を作ってやるからな!できたら宿に届けてやるから宿で待ってな!」

そう言うとおやっさんは大釜の前で作業を始めた。

 

数時間後

 

できたぞ~~~~!!!

というでかいおやっさんの声で俺は飛び起きた。

宿で待っている間に眠ってしまっていたらしく、外は全てを飲み込んでしまうような闇が広がっていた。

鍛「早速着てみろ!」

まるで子供の晴れ姿を早くみたい父親のように、俺の身体に防具をガシャガシャと装着させていく。

ナマ「ちょ!自分でやれるって!」

鍛「いや!最初は防具の装着に時間がかかる!これは簡単に装着できるやつだが、最初は誰かに着せてもらって着方を覚えるんだ!はい!足あげて!」

ナマ「わかったわかったから!あっ!そんな場所まで!!」

鍛「…随分と成長したのぉ…」

鍛冶屋のおやっさんの手伝いで色々とされた後、なんとか無事に装着が完了した。

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ナマ「おお…おおお!!」

鍛「うん、いい感じだな!」

全てが俺のサイズに合わせてあり、窮屈でも、大きすぎることもない。

重さもなく、本当に金属でできているのか?と思えるほど軽量な鎧にしばし見入ってしまった。

鍛「さて、仕上げといくか」

ナマ「?」

鍛冶屋のおやっさんが手にしたのはロープだった。

ナマ「え?それで何をするの?」

鍛「何って…縛るんじゃないか…ハァハァ…」

ナマ「!」

鍛冶屋のおやっさんの熱い吐息が聞こえてくる。

一体ナニを縛るのか…

そもそも鎧の上から縛る意味がわからなかった!

ナマ「え?ちょ!何なの!!!?おやっさん…こっち来ないで…」

ハァハァハァ…

ナマ「いやだ…いやああああああああああああああああ!!!

鍛 「これだから止められまへんなああああ!!!!!!」

おやっさんが変な吐息を吐いて、変な言葉使いになるから怖くなったが、なんてことはない。関節や腕、足の付け根を縄でちょっときつく結んだだけだった。

それでも動きが悪くなることもなく、これが何の意味なのかわからなかった。

鍛「うし!これで完璧!」

ナマ「…これは何の意味があるんだい?おやっさん?」

鍛「ん?これはな加圧式トレーニングだ」

この後おやっさんは色々細かく説明してくれたが、よくわからなかった。

ただ言えるのは、この縄が締め上げることで動くだけで筋肉をつけることができるらしい。

鍛「さて、これで俺の仕事は終わり」

そういうとポケットにしまっていた紹介状の下の部分を切り取り俺に渡してきた。

ナマ「?」

鍛「これを酒場にいるハンター登録所にいる娘に渡してこい。それでお前はハンターとしての資格試験を受けられる」

ナマ「試験!?」

はっきり言って俺は毎日ダラダラ過ごしてきたせいもあり、頭が非常に悪い。

まぁ…ぶっちゃけてしまえば…

作者自身も頭が悪いということが一番の原因であろう!

ナマ「俺勉強なんかしたことないから試験なんて受からないよ!」

鍛「ははは!!ハンターに勉強なんかいるかい!いるのは強敵や困難に立ち向かう勇気だけだ!」

ナマ「え?…じゃあ試験って何をするの?」

鍛「…」

知らん!!

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おやっさんはその一言だけ言った後、急いで仕事場まで戻っていき、俺は一応言われた場所にいた女性の前に来てみた。

試験っていったらやっぱり何か書いたり、考えたりしなきゃいけないんだよなぁ…

挙動不審の俺を見かねた女性の方から話しかけてくれた。

受付「ハァイ。ハンター登録ですか?」

ナマ「え?あっハイ…そうっす。あっあとこれを」

紹介状を渡すと、それを軽く目を通した彼女は自分の名前を書き、カウンターの中の箱にしまった。

受付「それでは試験を受けてもらいまハァイ^^」

ナマ「…やっぱ勉強してから…出直します!」

受付「勉強?あはははハァイ!」

しゃべり方に無理があると思う。

バカにされている気もする、が…まぁ今は何も言わないでおこう。

ナマ「試験っていうのはどんな内容なんすか?」

受付「試験では村の外にある密林でキノコを取ってきてもらいまハァイ!

ナマ「…ハァ…キノコっすか?それをいくつくらい?」

受付「5個です」

ナマ「それだけ?」

受付「それだけでハァイ!

ナマ「…じゃあ試験に行ってきます」

受付「ハァイ!気をつけて^^」

ナマ「ハァイ、じゃあ」

受付「ぷwなんですか?そのハァイってw」

 

無事に帰ったら、まずこの女をぶっ飛ばそう。そう決めて俺は村の外出口を後にした。

村を出ると、さきほどより明るくなった世界が俺を待っていた。

もうすぐ夜明けなのだろうか、しかし、太陽の光を遮る厚い雲と、まるで空が泣いているかのような大粒の雨が降っていた。

俺はいつものキノコ狩りポイントまで向かってみた。

キノコ5個を持って帰ればハンターになれる。

ナマ「なんて簡単な試験なんだろうか」

もう食える食えない関係なしにキノコを持って帰ればいいのだろう。

それならすぐできる。

少し歩くといつもの場所に到着した。

俺はいつも昼にしかこないから夜のこの場所がどうなっているか知ることはなかった。

ナマ「さて、キノコを持ってかえ…ろう…」

降りしきる雨が俺に容赦なく降り注ぎ、目の先の先端に水滴をいくつもつくっている。

その水滴ができて、落ちる瞬間。俺は目の前にいる獣達の存在を認識した。

青と黒の縞模様。

肉を裂くための手の爪。

骨を噛み砕くための鋭利な牙。

獲物を仕留めるための大きな鍵爪。

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奴等も俺を発見したのだろう。

1匹が大きな声を上げると周囲の3匹が俺を睨み付ける。

「今日の飯がキタゾ」といっているように1匹が舌なめずりをする。

ハァ…ハァ…

俺の中で、先日こみ上げてきた感覚が蘇る。

こいつ等の胃袋に納まるわけにはいかない!

おやっさんが丹精こめて作ってくれた武器と盾を構える。

信じられないが、その剣も盾も、まるで俺だけのためにあしらわれた物のようにしっくりとくる。

これなら戦える。

無意識のうちに俺はニヤリとしていた。

今度は俺にも勝ち目がある。

その顔を見たからなのだろうか?最初に俺をみつけた奴が、他の3匹の顔を確認し、小さい声をいくつか上げた。

そして

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1匹目が俺にめがけて大きくジャンプをして襲い掛かってきた。

その間に他の2匹が横に展開し、俺を挟み撃ちにする態勢に入った。

カリノジカンダ…

奴等にとっては俺は完全な餌なのだろう。

クケケケケケケケという不気味な叫びなのか、笑い声を3匹があげる。

ナマ「へっ俺は餌としてしか見られてないのかい…そうは」

俺の言葉を遮るように、右横にいた奴が死角から襲い掛かってきた。

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だが!それは十分予想できた。飛び掛ってくる寸前、奴の腹部に刃を当てると、今まで包丁の切れ味しか知らなかった俺の想像を遥かに超える攻撃力で奴を切り裂いた。

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ナマ「簡単にはいかねぇんだよ!」

俺の攻撃の後、奴の身体は後方に吹っ飛んでいき、その後は起き上がることはなかった。

それを見ていた残りの3匹中1匹が森の奥に消えていくのを視界の端で捕らえていたが、深追いはしないでおこう。

俺は本来の目的である。

「キノコ5個(食える食えないは特になしとして)の納品」

よりも、初めて見たモンスターとの戦闘に酔いしれていた。

モスや他の草食獣を仕留めるのとは全然違う感覚が俺の中を駆け巡り、そしてさらにその感覚を求めるために、俺は剣を強く握りしめた。

ナマ「さぁ仲間の仇を取りにこい」

自分でもその時は、高ぶった感情のせいでそんなことを口走っていたのだと…

思っていた。

だが…

俺の中で、長きに渡って眠っていた物が、俺を支配し始めていた事に…

まだ気付いていなかった。

 

第4話「蒼き狩人の咆哮」に続く。

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